みかす

アメリカン・グラフィティのみかすのレビュー・感想・評価

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)
3.7
深夜〜朝にかけてストーリーが進んでいくのが良い。時間帯を合わせて観たくなる。
夜がずっと続けばいいような、朝が来たらすべて終わりなんだと思うような空気感が大好き。
高校の世界が全てだと思っていたけど、卒業して外に出たらそうではない事が嫌でも分かってしまう、その期待も恐怖も両方描かれている。先に進みたい気持ちも、今の時間に永遠に漂っていたい気持ちも両方嘘じゃないんだろうなぁ。だからこそ答えを出しきれずにモヤモヤしてしまう。
若いが故のあと一手を決めきれない心情が雰囲気に滲み出てて良い。

こういう映画はむしろ時代を感じさせてほしいので、字幕の古臭さを感じるワードが逆に好きですらある。ほの字とか口述筆記とか。
最後に人物たちのその後を文章でサラッと出してくるけど、この素っ気なさも良い。
スタンドバイミーもそうだけど、みっちり描かずにサクッと伝えてくるのが好き。
輝くような記憶じゃなくて、あんな一日があったなとふと思い出すような存在の記憶であってほしい。実際こんだけの出来事なら強い記憶として残るとは思うけれども。
みかす

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