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残菊物語のKのレビュー・感想・評価

残菊物語(1939年製作の映画)
3.9
巻物を手動で流すようなオープニングクレジット。長回しの1シーン1カット。台詞はところどころ聞き取りづらい。正直な感想を述べるお徳とそれを聞く菊之助が二人でゆっくりと歩く道がものすごく自然。角度が見やすい。横の広がり。スイカの種をかんざしで取る描写を初めて見た。場面が変わっても音楽は繋がっていて空間の連続性を感じさせられる。菊之助がフレームアウトしてもカメラは動かず、そのまま奥の二人を映し続けるシーンが印象的。フクロウの鳴き声。劇中劇の歌舞伎シーンは長め。船乗り込み。古い作品ながらカメラワークを含め今に通じる表現が多くあって驚いた。ストーリー的には日本らしさが詰まっていたように思う。観られて良かった。
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