一人旅

オレゴン大森林/わが緑の大地の一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ポール・ニューマン監督作。

ケン・キージーの小説「Sometimes a Great Notion」をポール・ニューマン監督・主演により映画化した作品で、伐採業を営む一家の奮闘と行く末をオレゴン州の広大な森林地帯を背景に描き出しています。音楽はヘンリー・マンシーニ。

オレゴン州で伐採業を営んでいるスタンパー一家の物語で、同業者からのストの協力依頼を断って、製材工場との契約を優先して日夜大木の伐採に従事している一家を待ち受ける予期せぬ悲劇と執念の再起までを描いた“林業+家族ドラマ”の傑作で、サリー・フィールドがアカデミー主演女優賞を受賞した左派映画『ノーマ・レイ』(79)とは対照的に、組合がストに反対する一家に脅迫や嫌がらせを仕掛け、組合の標的となった一家は“自由と誇り”を胸に組合の反発を押し切って単独で伐採稼業を続けていくという二者対立が特色となっています。

組合に従わない決断を下したことで、一家は同業者から次第に孤立していきますが、それでも守り抜くべきもののために一丸となって伐採の重労働を継続する一家の奮闘を、家長である父親や長男&次男夫婦、異母兄弟の末っ子らが織りなす家族ドラマを軸に映し出した社会派ヒューマンドラマで、オレゴン森林地帯での伐採シーンは迫力満点の“お仕事映画”として見応えがありますし、4つの筏を一度に牽引するクライマックスの運河輸送は上空からの俯瞰ショットを含め壮観な光景であります。

また、監督と併せて主演もこなしたポール・ニューマンが無骨な長男を好演していますし、仕事人間な父親を演じた名優:ヘンリー・フォンダ、長男の殊勝な妻を演じたリー・レミックら実力派の競演も見所となっています。
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