Omizu

ブラザー・サン シスター・ムーンのOmizuのレビュー・感想・評価

3.7
【1973年キネマ旬報外国映画ベストテン 第3位】
アッシジの聖フランチェスコを描いた宗教ドラマ。監督は『ロミオとジュリエット』で知られるフランコ・ゼフィレッリ。アカデミー賞では美術賞にノミネートされた。

とにかく映像が美しい。鮮やかな赤、青、金と豪華な美術でアッシジという舞台を美しく表現している。

聖人の一代記といった感じで、戦争から帰還した兵士が信仰に目覚めていき、全てを捨てていく。

まぁいわゆる宗教ドラマではあるが、歌も多用してとにかく鮮やかに仕上げている。誰が観ても画面の美しさには感嘆するのではないだろうか。

キリスト教徒ではないので、物語自体に入り込めたかというと微妙であるが、完成度は高い。

フランコ・ゼフィレッリ監督ならではの色彩感覚、叙情的な演出が前面に出ており、まさしく映画的な快感が味わえる一作となっている。スクリーンで観たら映えるんだろうなぁ。

物語としてはそこまで入り込めたわけではなかったが、次々と見せ場が展開されていき飽きない。信仰に目覚めたフランチェスコの突飛な行動が面白い。

『ロミオとジュリエット』の監督作品ということが一発で分かるくらい作家性が確立されている。そこまで好きな訳でもなかったが、映像、美術、衣装には圧倒されるものがある。
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