藻尾井逞育

アフタースクールの藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

アフタースクール(2008年製作の映画)
4.0
「あんたみたいな生徒、どのクラスにもいるんだよ。全部わかったような顔して勝手にひねくれて、この学校つまんねぇだのなんだの。あのなぁ、学校なんてどうでもいいんだよ。お前がつまんないのはお前のせいだ」

母校の中学校に勤める教師・神野の元に、かつての同級生だと名乗る見覚えのない男が現れる。現在は探偵だという彼は、同じく神野の同級生で親友の木村を探しているという。神野は成り行きから木村の捜索に協力することになってしまい……。

はい、私も見事におもいっきり騙されました⁈騙されたとはいっても、決っしてウソをつかれたわけではありません。事実のみ伝えられていきますが、その事実がうまい具合に切り取られており、自分の先入観からおもいっきりミスリードされてしまいました。極めつけはあの写真かな。それが、行方不明になっていた堺雅人さんが帰ってきたあたりから話が噛み合わなくなります。その後にくるタネあかしは、今までのモヤモヤしたところが伏線として回収され、パズルのピースがぴたっとはまるような爽快感があり、気持ちよく騙されたなぁと嬉しく思いました。映画だから気持ちよかったで済んでいるけれど、現実社会だとまた話が違ってきます。AIによるフェイクニュースは論外ですが、発言などを都合よく切り取ってイメージを操作、意図的にミスリードしていると思われるニュースも散見されますので、私たちも騙されないように気をつけなければいけませんね。
アフタースクール。学校を卒業してそれぞれが社会の荒波を経験すると、学生の頃とずいぶん変わってしまったなぁと感じる人も出てきます。でも根っこのところは案外変わっていなかったりして、お互いすぐに分かり合えることも多いです。学生時代の友情はいつまでも繋がっていて、それがあるからこそ社会の荒波も乗り越えられるのかもしれません。そういう意味では、卒業してからも大人の放課後はずっと続いていきますね。