藻尾井逞育

怪しい彼女の藻尾井逞育のレビュー・感想・評価

怪しい彼女(2014年製作の映画)
4.0
「なんて個性的なんだ。最近の子とは全然違う!」
「だけど一番気に食わないのは、自分の素晴らしさを分かっていないことだ。笑った方が男前だよ」
「その短い棒で人生棒に振るよ⁈」
「献血行きな!」

頑固で毒舌な70歳の老女オ・マルスンは、ある日突然、20歳の姿に若返ってしまう。これまで女手ひとつで育児と生活に追われ、自由な生き方ができなかった彼女は、オ・ドゥリとして新たな人生をスタート。キュートなルックスと類まれな歌唱力、歯に衣着せない物言いで、思いどおりの人生を突き進んでいくが……。

見る順番が逆になってしまいましたが、中国版「怪しい彼女」である「20歳よ、もう一度」の韓国オリジナルです。中国版を先に見ていたので、話の展開や結末など全く一緒で安心して見ることができました⁈って、こっちがオリジナルなんだけど。中国版がコメディであるのと同時にほっこりとした雰囲気があるのに対し、こちら韓国オリジナルはコメディに突き抜けていた感じです。韓国のお婆ちゃんの方が強烈で、毒舌も効いていて、やたら相手を叩きますね⁈冒頭の女性を年代別にボールスポーツに例えるユーモアには思わずニヤリとさせられました。全体的にコメディが効いていて、さすがオリジナルの勢いがあります。それでいて扱っているテーマが、嫁姑問題、高齢者介護問題、世代間の確執の問題、家族愛など万国共通のテーマなので、色々な国で翻案しやすいんでしょうね。
若返ったお婆ちゃん役で、カワイイ顔して悪態ついたり、ドカドカと年寄りっぽく振る舞ったり、主演のシム・ウンギョンさんのコメディエンヌの魅力炸裂です。そして、彼女の歌声もこの映画の魅力です。残念ながら、中国版のテレサ・テンの曲、日本版の歌謡曲と違い、こちら韓国版の韓国の歌謡曲は自分にとって馴染みがなかったので、さほど思い入れを持てませんでした。でも、各国でその国の事情に合わせてそれぞれの人気曲を入れていく、そこがまたいいんじゃないと思いました。