盲目ながらも居合抜きの名人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」の１作目。
勝新太郎が主演、万里昌代がヒロインを演じ、天知茂、柳永二郎、島田竜三らが共演。
音楽は伊福部昭。
盲目の渡世人である座頭市（勝新太郎）は、下総飯岡の助五郎一家（柳永二郎）に草鞋を脱ぐ。座頭市は浪人・平手造酒（天知茂）と、釣りで知り合い信頼と友情を深めていく。しかし平手は助五郎と対立する笹川一家（島田竜三）の客人で、座頭市と平手はそれぞれ対立する一家のもとで苦悩する…
お馴染みの勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇の第1作目。
ライバルの浪人・平手が労該にかかっており、これをキーにストーリーが二転三転するなどシナリオがよく練られている。
また座頭市がやくざにマッサージを受けるがこれも伏線。
一方、やくざに運命を翻弄される若い娘たちの切ない恋も描かれている。
クライマックスは座頭市と平手の橋上での差しの勝負。
結果はわかっていても力の入る名シーンです。
「見事だ つまらん奴の手に掛かるより貴公に斬られたかった」
刀を寺の小坊主に託したり、泥沼に沈んでいくヤクザ、娘との再会を避けるなど終盤の数々のシーンが秀逸で、ラストは渡世人らしい生き様で幕を閉じます。
「どうせろくな奴じゃねえんだろう」
2023.8 BS12で鑑賞
