フランク・キャプラ監督自身の「ポケット一杯の幸福」のリメイク元作品で、登場人物もストーリーも全く同じだ。
1930年代の映画ということで映像は粗く、カットも雑だったりするけど、ストーリーは素晴らしく、楽しくて笑えて優しい気持ちになれる。
リンゴ売りのアニーの変身にみんなが唖然とする場面や、ギャングの手下たちがお辞儀の練習する場面はコテコテだけど笑ってしまう。
そして、いがみ合っていたみんなが、すべてを忘れて一致団結する大逆転のラストは気分爽快!
伯爵やら知事やらと、肩書に踊らされている人々を皮肉っているようにも見えるけど、人間の優しさと良心に焦点を当てたこの物語は、実は一番フランク・キャプラらしい作品なんじゃないかと思う。
グレン・フォード、ベティ・デイヴィス、ピーター・フォーク、トーマス・ミッチェル、ホープ・ラングという豪華共演が観られる「ポケット一杯の幸福」の方が娯楽性高いけど、この作品も一見の価値ありだ。