ちろる

ミックマックのちろるのレビュー・感想・評価

ミックマック(2009年製作の映画)
3.8
ゲラゲラ笑っちゃうような面白さというよりは、クスッと静かに笑ってしまうシュールなユーモアセンスと、まるでロモグラフィーカメラのような鮮やかな色彩がおしゃれな映像を含めて、わりと満足感が得られた作品だった。

始まりに映し出される、主人公の父の衝撃的かつ残酷な描写と、主人公自身に起こったありえない事件とどん底の人生の始まり。
暗いお話にしかなり得ないスタートを切ったのにもかかわらず、まるでファンタジー絵本の挿絵にもでてきそうなガラクタの館が出てきたあたりからは思ってもないようなエネルギッシュでハートフルな展開が待っている。
くねくね女、発明家、大砲男に言語オタクまで・・・
個性が特化しすぎた故に社会から弾かれた人たちのコミュニティが弾丸を埋められたバジルを温かく迎え、悲観してしまいそうなバジルの人生に一筋の光を与える。
これもやり方もうはちゃめちゃ笑
目には目を!と憎っくき武器商人悪事に制裁を与えるシーンはもっともっとやれー!
とつい目が三角になってしまったが、さすがアメリのジャン ピエール ジュネ監督。
最後まで気の抜けてしまうような優しさを持った仕上がりに私の心もいつのまにか和まされていた。

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