よか

パンズ・ラビリンスのよかのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.0
字幕
内戦で実父を亡くした少女オフェリアは、恐ろしい義父から逃れたい気持ちから、自宅付近にある謎めいた迷宮に足を踏み入れる。すると、そこには迷宮の守護神パンがおり、オフィリアに彼女こそが魔法の王国のプリンセスであると告げるが……。

いい意味で裏切られた。
本当にファンタジーなんだろうか?と雲行きが怪しくなって来たあたりから「時代・家族に翻弄されて妄想に走ったオフェリア」と「女王モアナの生まれ変わりであるオフェリア」との2つのルートを考えるのが面白かった。
異世界転生ものの「誰かをかばってトラックに轢かれる自己犠牲の死」の部分に焦点を当てたような話。
服が可愛い。

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妊娠・出産はとても尊いものだ、生命の神秘だ、と私は思えているけど、あの時代のあの年齢、世界のすべてが母親を中心に回っているような時に、生理的に受け入れられない男性(信頼している実の父ではない)との子を身篭って大きくなったお腹だとか、産まれてくる弟のために悪阻に苦しむ姿とかを見たくなくて目を逸らすの子どものことは想像できるかもしれない。
妊娠なんかしなくていいみたいなことをオフェリアも言ってたけど、いつか自分もああなるのではと考えて相当複雑だったんじゃないだろうか。

ただ妖精が死んでも罪悪感が無さそうなところだとか、母親が苦しんでても他に気を取られてるオフェリアの情緒の未発達さはやや怖い。画もところどころ痛いので見たのが今の自分でよかったなとは思った。公開当時だったらキレてそう。ドデカ虫を妖精って言い切るのは無理があるよ!
よか

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