デニロ

あらくれのデニロのレビュー・感想・評価

あらくれ(1969年製作の映画)
4.0
この春から夏にかけて邦画の旧作をかなりの本数観た。脚本も手が込んでいて出演者も多い。映画最盛期の熱気が迸っている。本作もその一篇。

高峰秀子という女優をリアルタイムで観たのは1973年の『恍惚の人』だった。もう晩年で、名前は知っていたがそれだけで他は知らない。テレビでは観ていたのだろうか。女優として大きな名前だったんだろうけど、どんなに大きいのかは分からなかった。その後何本か観ていたが、その凄さを知るのはまさに今です。

素行正しき女性像を勝手に創り上げていたが、実は崩れた感じの役柄が多く、それに何とも言えぬエロチックを感じる。本作はその役柄です。

しっかり者のおかみさんでありながら、周りの男は少しだらしがないというか、そんな彼らとどうでもいいようなくっ付き方をしてしまう。上原謙、森雅之、加東大介。いやもう性格俳優です。

男関係を見ると実は彼女の方も相当だらしがない。挙句の果てに、最後の夫を捨ててくっ付くのが仲代達矢。なんだかよくわかりませんが、めまぐるしい作品です。
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