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迷子の警察音楽隊のchakoのレビュー・感想・評価

迷子の警察音楽隊(2007年製作の映画)
3.7
初めて観たイスラエル映画。これは掘り出し物を見つけた♪といった感じでした。

タイトルの通り、エジプトの警察音楽隊が演奏会のために訪れたイスラエルで目的地とは全く違う辺境の町に辿り着いてしまい、迷子になってしまうというお話。
エジプトとイスラエル。複雑な歴史背景のある2国の人々の交流がユーモアを交えて描かれていく。

青みがったような映像、砂埃が舞う砂漠の町、そこに映える音楽隊員達の鮮やかな水色の制服
全編通して淡々としていてセリフも少なく、多くは語らず…といった感じ。
会話と会話の間合いや距離感が絶妙で、静かながらも通い合っていく人々の姿がとても温かい。
好きだなぁ、こういう作品。

登場人物も不器用で愛すべき人達ばかり
中でも私が好きだったのは、迷子の隊員達に食事や寝泊まりする場所を世話する心優しい女主人。
隊員を始め、劇中で登場する男性陣がおとなしくて頼りないような人ばかりだからか、男気というか女気?溢れる頼もしさで、行く宛もない隊員達を前に、ナイフ片手にりんごをカットして食べながら「うちに泊まれば?」なんて言う姿や、ビックサイズの西瓜をカットする姿なんて頼もしすぎ!隊員のおじさん方みんな固まってたし(笑)

物静かで心優しい中年隊員がクラリネット、ちょっと生意気でプレイボーイな若手隊員がバイオリン&トランペットっていう何だか分かりやすい設定も面白い。

87分と短めなので、寝る前に静かに観たくなるような作品。


2016*2
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