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大出世物語の一のレビュー・感想・評価

大出世物語(1961年製作の映画)
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製本所の紙ゴミをいただいて生計を立てている屑屋の小沢昭一が株で儲けた金で会社を乗っ取る。と言うと腹黒いようだが、見事に善意だけで出来た荒唐無稽なホンワカ話で、山本薩夫や今井正が観たら何て言うだろうなどと考えてしまうくらいには能天気である。能天気すぎて、新社長として社員一同から祝福される昭一のクローズアップには夢オチすら覚悟したが、そんなことはなく。社長の息子と屑屋の娘という階級差が反転する小百合&光夫のエピローグも、邪気がないぶん余計にイヤなかんじがするし、なにより昭一が渡辺美佐子に1000円でセックスを要求する描写はホントにどういうつもりだったのか理解に苦しむし、この能天気さを素直に受け入れづらい映画であった。高原駿雄はちゃんと3万返してください。
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