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秋津温泉のなのレビュー・感想・評価

秋津温泉(1962年製作の映画)
4.5
敗戦後に行き場をなくした日本人男性の鬱屈した自意識と、それが恋愛関係に傾れ込んだ結果狂わされていく女、という戦後私小説によくありそうな話ではある。
せっかく生きることを教えられても、どう生きればいいかわからない、17年で何もかも変わってしまう、本当にすごい時代だと思う。
しかし演出がすんごい。秋津から逃れられない茉莉子。日常との対比が凄すぎて、秋津という場所が全て長門裕之の白昼夢なんじゃないかと思えてくる。しかし、これが現実なんだと突きつけるようなラストの鮮血。
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