りょうすけ

籠の中の乙女のりょうすけのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.0
「籠の中の乙女」

ヨルゴス・ランティモスの名を世界に知らしめた作品。一番最初にこの監督の作品を鑑賞したのは「ロブスター」だったが、その時すでにこの作品の存在自体は知っていた気がする。

外の世界から子供達を隔離して、育てている親の物語。「ノートルダムの鐘」のカジモドとフロローのように、どんなに外界と遠ざけようとしても、外の世界の存在を知っている以上、憧れや好奇心は捨てられないもので、必ず外の世界へ足を踏み出そうとする。

外の世界を「汚れ」として子供達に教えているわりに、息子にはセックスの相手を与えているのが何となく不思議に思った。娘に医学書を与えているのは、この家で医療を必要とした時のためだろうけど。

また、子供たち3人は外の世界を知らないので、プールに魚が突如現れることを何も不思議に思っていなかったり、猫という存在に対して過剰なほどの恐怖心を抱いたりと、外の世界ではありえないようなことと当然のように捉えている描写が組み込まれているのは非常に興味深かった。

「そこまで大きいボカシいるか?」と思うほど、モザイクが雑だったのが、残念。性的描写に関しては、そこまで過激なものがあるわけではないので、せめて性的なシーン以外でものモザイクはなしで日本公開して欲しかった。
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