ハレルヤ

この森で、天使はバスを降りたのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.6
刑期を終えて出所した主人公のパーシー。アメリカ北部のとある小さな村にやってきて、古びたレストランで働き出す。彼女と村の人々の姿を描いたドラマ。

ファンタジーのような邦題で昔からずっと気になっていた作品でした。確かにドラマチックな雰囲気はあるものの、後味があまりよろしくないのでちょっと複雑。

パーシーを演じたアリソン・エリオットの心に影を落とした演技、その一方で明るさも取り戻していくような演技にはずっと見入っていました。レストランの女主人であるハナ役のエレン・バースティンのベテランらしい味のある演技も本作の見所。

この主演2人を中心に回るドラマ。アメリカの田舎町の排他的で余所者を受け入れ難い雰囲気はやはり独特で、「ドッグヴィル」を思い出すもの。流石にあの作品ほど暗くはありませんが。

そんな変化を求めない村がパーシーの存在で少しずつ変わっていきます。1人1人が変わっていけば大きな変化になる。その過程が静かに温かみを持って描写されていました。

親子の絆の強さにも焦点が当たっていますし、アメリカ北部の豊かな自然描写も秀逸でなかなか見応えのある内容でしたね。

結末はただ単に結果だけ見たらバッドエンドの部類かもしれませんが、ラストシーンを見るとここからまた新たな希望が持てる形になっています。思っていたより少し重めな作品でしたが、美しい自然と優しい音楽の効果も手伝って、心が洗われるような気持ちになりました。
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