安堵霊タラコフスキー

不良少女モニカの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

不良少女モニカ(1952年製作の映画)
4.6
初期のベルイマンはあまりくわしくないけど、後の巨匠の風格が最も感じられる秀作

若いカップルの苦難というベルイマンらしくないテーマではあるものの、長回し撮影に控えめな音響は後の名作群を思わせるものがあり実に心地良く、ボートで二人が旅立ってからのカットは美しさと解放感で溢れていた

オチはもっと破滅的なものを予想していたので、思ったより現実的なものになったのは少し拍子抜けだったけど、それでもその物悲しさにベルイマンらしい侘しさが感じられたから、素晴らしいことに変わりはない

しかしこんな映画祭に出品されたら受賞確実の出来の良い作品を発表しても、当時全く見向きもされなかったのが不思議でならない