「裏切りのサーカス」で原作のジョン・ル・カレの映画化は再燃しそうな雰囲気。
まさか「寒い国から帰ってきたスパイ」が、すでに映画化されていたのは知らなかったが。
最後の任務を追えてロンドンに帰って来たスパイのリーマス。
だが平穏な日常に彼の居場所はなく、失意の日々。
そんな折かつての上司からの依頼で、リーマスは東ドイツに潜入する依頼を請け負う。
感情を押し殺したかのようなリチャード・バートンが、まさに一世一代のはまり役である。
それと同時に哀愁ある音楽と、敢えて画面を白黒にしたのもしっかりと意味がある。
使い捨てや捨て駒と揶揄されたスパイの運命は、ラストで明確に提示される。
限りなくリアルなハードボイルド使用のスパイ映画。