このレビューはネタバレを含みます
日本で観ることのできる北朝鮮映画というレア感から、ずっと観たかった作品。
王朝の横暴に抗議し獄中死した鍛冶屋が最後に飯をネリネリして作ったミニチュア怪獣・プルガサリが、命芽吹いて農民の蜂起に加わり、王朝軍を蹂躙するお話。
王朝軍打倒後も食欲が止まらぬプルガサリに、民衆たちは不安を覚える。ヒロインの女の子は食料の鉄を得るためには他国に侵略するほかなく、やがて世界戦争の引き金となってしまうことを憂慮し、自ら犠牲となってプルガサリと心中するという、寓話的な結末。
王朝=かつての体制側を横暴な存在として描くことは北朝鮮の検閲的にOKだったと思うと意外。
農村、王都、いくつかの戦場と多くのセットや衣装など、それなりに金がかかっているように見える。
監督は韓国人だったり、日本から東宝の特撮チームが参加したり、この作品が作られた背景はもう少し調べてみたいところ。
しかし、ストーリーは単調、演出、撮影、音楽・音響がチープで観賞に耐えない。印象的なのは、生まれたてホヤホヤのプルガサリのミニチュアが予想外に可愛かったことくらいかな。