初ヒッチコック作品!
展開の切り返し方がおしゃれで、「え、どうなるの?」と夢中になるサスペンス映画だった。
今でこそ、よくある展開なのかもしれないが、当時の話題性を鑑みると、本作がそういった作品群の礎になったことは間違いない。
DVDには、劇場公開時に放映されていたニュースの映像が特典として付いており、その話題性を報じた。面白かったのは、その宣伝文句。
『途中入場を禁じます』『上映時間の確認は出来ていますか?』『ストーリーは他言無用でお願いします』
作品の頭から張り巡らされた伏線を見逃すような無礼はお断り。という意も含まれているだろう。
そしてもう一つ、このように謳った最大の理由。
以下ネタバレを含みます。
それは、主演女優が途中退出してしまうこと。ジャネット・リーが出てこないじゃないかという騒動を避けるため。
こういった宣伝文句が受け、人が人を呼ぶ大ヒットに繋がり、一躍「サイコ」という言葉が世に浸透していった。
やはり、主演女優が途中で殺されるという展開が面白い。主人公は殺されないという先入観によって、絶望的な風呂場での殺人は、更なる恐怖を生む。
どんな人物なのか、ノーマンの「底」が見えてこない。何を隠しているのか。
探るは探偵、保安官と続き、真相に近づいていく。
こういった類のサスペンス映画を全く観たことが無い人には衝撃的なラストであろう。
出演者達のオーバーなまでのリアクションと、不穏な楽曲がホラーテイストを紡ぎ、スマートな構成によって良質なサスペンス映画にまとまっている。
次のヒッチコック作品が楽しみである。