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暗殺の森のQIのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0
【午前十時の映画祭】

“ゴダールとの決別”

監督:ベルナルド・ベルトルッチ
主演:ジャン=ルイ・トランティニャン
共演:ドミニク・サンダ

スクリーンで観るのは2度目

学生時代には、ゴダール、トリュフォー、ロメールといったフランスヌーベルバーグ作品や関連する作品が名画座にかかるたびに半ばファッション感覚wで観ていました

そんな活動?の中で観た本作で記憶にあるのはやはりヴィットリオ・ストラーロの映像の素晴らしさだけで、内容についてはほとんど記憶に無いという😅

その色彩感覚、構図とカメラワークのカッコよさ、特に終盤の森のシーンは秀逸で、その素晴らしさを今回もあらためて実感できました

そして今回、新たに確認できたこと

『ラストエンペラー』の原型

トランティニャン演じる主人公はまさに溥儀そのもの

政治に翻弄され、優柔不断な性格でいつまでも自分の世界から抜け出せずもがく姿

自身だけでなく、関係する女性達も含めたセクシャリティ

印象的なダンスパーティーシーン

etc.etc.

さらに本作で見ることができるアジア趣味も『ラスト…』含めた東洋3部作に繋がり…

そう考えると、本作はゴダールの呪縛から逃れ、良くも悪くもベルトルッチの転換点になった作品だと思います

ドミニク・サンダの美しさ

2年前にロベール・ブレッソン監督の『やさしい女』をスクリーンで観る機会がありました

その美しさと存在感はとても印象に残っていて、この作品が本作への起用とベルトルッチミューズとなるきっかけになったのではないかと

そんなふうに色々な作品を観ることで自分の中の映画史の隙間が埋まっていくのはとても楽しい😊

これだから映画はやめられない😆

p.s.
確認できたこと番外編
中国料理レストランシーンでテーブルの上に日本酒を入れるトックリが🍶

中国も日本も同じアルアル😂
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