「うわっ!」と思わず声をあげてしまうショットの連なり! カメラの動きから光の使い方まで、画面設計におけるすべてのレヴェルが尋常ではない。この手の(いわゆる絵画的な)映画でこれほど繋ぎがスムーズなのは、あまり記憶にないと思う。「映画的豊かさ」とはこういうことか! エウレカ! というかんじである。
といってもまあ、話はよくわかんないんだけど。「人生はダンスなんだよ」とはベックの言葉だが、ファシズムがそれをできなくするということでしょうか。国家のために人生を手放した男は、窓越し、そしてカーテン越しにただダンスを見つめるだけなのだ。ベックはほんとうに正しいですね。