eiganoTOKO

オフサイド・ガールズのeiganoTOKOのネタバレレビュー・内容・結末

オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

原題はオフサイド。ガールズって邦題のつけたしは余計すぎるほどガールズ❤︎感ナシ。ガールズから連想してきゃっきゃウフフを想像してたから、いい意味で裏切られて超面白かった!
イランは女性が男性スポーツを生で観戦しちゃいけない。(今は一部許可されている)
1979年のイラン革命以降の『イラン・イスラーム共和国』のイスラム原理主義下で女性蔑視は酷くなった。
ヒジャブを被らない女はタイホされる。
そんな過酷な世界で闘うスポーツウーマンが笑えて泣けて…ああこれぞ青春!

バスで変装して堂々とコールしてる女の子を見た男たちが「奴らはプロだ」でまずひと笑い。

ぶっとい眉毛のボーイッシュな女の子が、兵士に捕まったのにイキナリ煙草ふかして「どなるなよ」でふた笑い。

女「魚がなければせめて缶詰めよ」
(試合が見れないならせめて実況中継よ、の意味)
兵士「缶詰?サッカーが見たいんじゃないのか?」
(通じてない笑)

ポスターをお面にしてトイレに行くシーンで爆笑!
まさか選手ポスターが伏線だったとは…。

兵士の変装した女の子に、先に捕まった女の子が「やるじゃないか!思いつかなったわ〜」って褒めて連帯感を増していく!

完全な男尊女卑の国だからこそ、男を小馬鹿にしながら自分の好きなことしたいだけ!って黙らない彼女たちが大好きになった!

すったもんだありながらも、フィクションの世界だから逮捕される前に逃げ出せるんだけど、愛国系の歌が流れて、現実へのものすごい皮肉でジ・エンド。
「祖国のためなら命をも捧げよう」
ひいいいい!
日本の特攻隊じゃないですか!
カミカゼ…

いつの日か、やりたいこと選択出来る自由が手に入るといいな。
監督は一時期逮捕されてたみたいだし、この映画はイラン国内で上映禁止だけど、リスクを負いながら「女の権利」を描いてくれてかっこいい。
おっさんだけど。
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