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カンバセーション…盗聴…の440のレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
4.1
一線を超えてしまった後悔
プロだからこそ知る怖さ

出てくる機材とかは古いけど、ストーリーやテーマは50年前の作品なのに古臭さを感じない。
静かなピアノの音色が印象的なコッポラのパルムドール受賞作品。

付き合ってる彼女にも素性を明かさない盗聴のプロ ハリー。
依頼人の内情は詮索しない男が、依頼主の不信感から録音した音源を聴いてしまうお話。

中盤までの展開はあまり動きが無いので淡々と進んでいく感じでしたが、ハリーの人間性を丁寧に描きつつ徐々に禁断の地へ足を踏み入れていく不穏さに見入ってしまった。

後半はドンデン返し展開もあって、ハリーの性格や背景を把握しているからこそ追い詰められた時の怖さが際立っている。
鑑賞後は作品の興味がぶち上がったので、ネットでこの作品について色々調べてしまいました。

ジーン・ハックマンの演技は、神経質で繊細な男なのに何故かカッコ良く見えるという魅力があって、改めて好きな俳優さんだなと再認識しました。
スーツの着こなしがめちゃカッコ良い。
ハリソン・フォードとロバート・デュバルが出てきた時は文句無しにテンション上がったなぁ。

自らが盗聴された時の怒り、盗聴に対しての後ろめたさ。
ハリーの葛藤は良くわかるんだけど盗聴って普通に今ならアウトだよね?

SNSで知らない人と繋がる事が当たり前になってきている現代。
監視カメラの設置やプライバシーについてもこの時代とは全く違うけど、改めて個人情報を晒す事への恐ろしさとか考えさせられる作品でした。
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