伊達巻

流れるの伊達巻のレビュー・感想・評価

流れる(1956年製作の映画)
4.2
内側から廃れゆく芸者屋、東京の花街。流れる始めや終わりより、少し弱った流れそのものを描いている。褒めた意味でも嗄れ声がすごく嫌だったんだが、それで全体の流れの向きが変わったり速度が上がったりということはなく、あくまで川に投じられた一石のような趣だったのが印象深い。沈黙の鋭さが健在。名だたる名優たちが演技の中でまた演技をするような顔つきをするからたまに誰が誰だか本当に分からなくなるから凄えと思った。岡田茉莉子ってアンナカリーナにどことなく似てるなでも気のせいかなとかずっと思ってたんだけどじゃじゃんがじゃん♪のところで確信に変わった。カメラワークなんかでいうと溝口とかに比べたらめっちゃ地味なのになんで毎度こんなに見入ってしまうのか。成瀬沼にハマってしまった。まだまだ観るぞ
伊達巻

伊達巻