ちろる

お茶漬の味のちろるのレビュー・感想・評価

お茶漬の味(1952年製作の映画)
3.8
生まれてきた環境が全く違う男と女が大したデートも重ねないで婚約する。
昔のお見合いではそんなことはしょっちゅうだったとは思うけど、冷静に考えればなかなかな制度だなぁとつくづく思う。
言いたいことがなかなか言えなくて、ましてや女中さんが常にお家にいるから、何となくぎこちない関係になりがちで、無口な旦那の事が益々分からなくて外では文句たらたら。

そりゃ姪っ子もお見合い結婚に躊躇するだろうな。
小さな嘘や秘密を持ったり、時にはくちを滑られせてひどいことをいったりする事もある。
ムカついて仕方ないのは相手になにかを求めているからであって、何も期待してなきゃ怒ることだってない。
そして、いるとイラつくけど居ないとどこか寂しい。
夫婦の厄介な部分を皮肉に突いた小津節でした。
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