ぽん

ダンサー・イン・ザ・ダークのぽんのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

こんな映画に初めて出会った。賛否両論分かれるよな…って思う。
今までは、いわゆるハッピーエンドとバッドエンドで映画は分けられると思っていたけど、分けられない映画が存在することや映画に対する概念が大きく変わったきっかけとなった作品がこれ。

まず、外から見る人と、内から見る人では感じ方が全然違うと思った。客観的にはどん底に思える状況も、主人公にとってどん底でなければバッドエンドとは言えない。どこを切り取って、誰の立場でこの映画を観るのかでも感じ方が異なってくると思う。

They say it's the last song. They don't know us, you see. It's only the last song If we let it be.

このセリフでも触れられていたけど、"最後から2番目の曲が終わったら映画館を出てしまうの、そしたら映画は永遠に続くでしょう?"って言葉が印象的。この言葉と映画をリンクさせた時、言葉通り映画が終わってないなら、観ている人に形として見えなくても映画はまだ続いているってことになると思うし、未来の可能性がなくなったわけではない。(少なくともジーンの未来は)

それでも、救いようのない結末やどん底に堕ちていく過程は観ていて辛いと思う、その意見も分かる。
だけどこの映画は、考えれば考えるほど違った視点で見れてくると思うし、表面的なメッセージだけではなくて深奥のメッセージに気付けるんじゃないかな。入る深さによって感じ方が変わってくる、そしてどこから入るかによって深さは変わってくる、そう言った意味で沼みたいな作品だと感じた。
ぽん

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