団地を舞台のワンシチュエーション・コメディと高を括って見始めてら、観て驚け!の類の傑作。
漫才かコントのような高速な台詞の応酬。しかし滑舌クッキリ、怖いくらい声がよく通る舞台役者の凄みよ。とにかく出る人皆んな芸達者。若尾文子の色香はもちろんのこと、伊藤雄之助、山岡久乃の巧い事!特に伊藤は黒澤明作品の茫洋とした演技しか見慣れていないものだから、喋りのスピードには驚愕。
脚本はホラーまがいのエグさだし、時々放たれる凝った構図、カメラアングルも素晴らしい。こんな邦画があるなんて、まだまだ見逃している名作は多いなぁ。