クリーム

しとやかな獣のクリームのレビュー・感想・評価

しとやかな獣(1962年製作の映画)
4.1
面白かったです。私は特に山岡久乃さんがツボでした。ネタバレ無しで観た方が良いので、面白かったとだけ…。

団地の1室で、前田時造と妻よしのが家具や金目のモノを奥の部屋に隠した後、客がやって来た。芸能事務所の社長の香取、会計係の幸枝、歌手の男の3人。夫妻の息子·実は社員で、ギャラ100万円を着服し、姿を消したと言い、香取はその金を夫妻に出す様に交渉に来たのですが、時造は責任を取ろうとしません。仕方なく3人が引き上げた頃、実が帰って来ます。



ネタバレ↓



家族は長い貧乏生活の後、多額の借金を息子の実と娘の友子にさせ、この団地の1室で不自由なく暮らしています。
友子は流行作家·吉沢駿太郎の愛人で、父子は吉沢に借金をして、彼の名前で銀座で豪遊し、金を散々たかって来ました。堪忍袋の緒が切れた吉沢と友子は喧嘩をして、家に帰って来ました。吉沢は代理人をする実から金をネコババされた事にも怒っていました。
時造と妻がいない間に幸枝が実を訪ねて来て別れ話をします。2人は肉体関係があり、着服した金は、ほぼ幸枝に貢いでいました。幸枝は、仕事を辞め旅館を経営すると言います。別れないと揉めていると幸枝の辞表を手に香取がやって来ます。幸枝は香取とも肉体関係があり、幸枝に戻る様言いますが幸枝は断ります。
翌日、酔っ払って、実が旅館で2人の関係をベラベラ話した事の苦情に幸枝が、やって来ました。
続いて香取もやって来て、税務署員の神谷という男が、香取が提供した裏金のせいでクビになった為、火の粉が降りかかる可能性があり、詳細を知っている幸枝の手助けが必要だと言います。幸枝は我関せず、去って行きます。
香取は金を新たに実に支払う事で実が罪を被る事を約束させます。その後、神谷が幸枝を探しにやって来ます。彼女が帰ったと知ると神谷は出て行き、団地の屋上へ。救急車のサイレンの音が聞こえ、よしのが窓の外を見ると、飛び降りた神谷の死体が見えた様でした。

怒涛のクズ祭り♪︎♪︎♪︎
山岡久乃さんって、生真面目な印象だったので、本作のしれっと嘘をつき、とんでもない事を言う夫の話を援護する姿に目が点になりました。ラストの彼女の顔も最高でした!クズがクズの金をむしり取り、ゲスい男をゲスい女が騙し金をせしめる。それが次から次へとテンポ良く進むので、めちゃくちゃ面白かったです。最後に良心の欠片が残っていた人が耐え切れなかったと言う結末もこの作品ならではのラストで良かったと思います。パワフルな昭和の邦画は最高です。

*leylaさん、みかんぼうやさん、やっと観ました!ありがとう☆
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