このレビューはネタバレを含みます
キングレコード社が毎年企画する「死ぬまでにこれは観ろ!」シリーズ。知名度はイマイチで、マニアックな作品も多い同シリーズではありますが、意外な「掘り出し物」に出会えることもあり、しかも3作品購入すると漏れなく1作品が貰える(!)というお買い得感もあって、映画好きとしては興味をそそられる企画です。
同シリーズの2023年版リストにも載っていて、購入を検討していた本作。そんな矢先に、Huluで配信が始まったので今回はそちらで鑑賞することにしました。(キングレコードさん、ごめんなさい…。)
面白かった!
これはなかなかの「掘り出し物」ではないでしょうか。さすが同シリーズで推されているだけのことはありました。
ストーリーは三部構成となっており、それぞれ「言葉」「顔」「写真」と題された三つの小話が絶妙な絡み具合で繋がっています。特に、第二部では時系列上の巧妙な仕掛けを施すことで、観ている人に作品全体がループしているような錯覚を与える構成となっており、細部まで相当に手の込んだ内容になっています。
作品自体は一見地味ですが、一度観て終わりではなく、二度三度と繰り返し観ることで新たな発見があるような、そんな噛めば噛むほど味が出てくる「スルメ作品」です。キングレコードさんに言われなくても、死ぬまでにこれは観た方がよいでしょう。