yoyoyo

風が吹くときのyoyoyoのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
3.6
核戦争の恐ろしさを描いたイギリスアニメーション作品。夫婦の声を森繁久彌と加藤治子が担当。ほのぼのした愛らしい夫婦の造形にぴったりの声。デヴィッド・ボウイの歌や全体的なおうちの色合い、夫婦がティータイムを楽しむ様子がイギリスらしくて洒落てる。
いつ「あれ」が落ちるのか、いつこの夫婦の笑顔が奪われるのか、カウントダウンが迫るようで落ち着かない。
一瞬で奪われる生活、しあわせ、日常、環境。助けが来るはず、と希望を捨てずにいる様子が切なすぎて、こちらの顔が歪む。知識がない故の、夫婦の行動や希望的観測に「あ」と声が出かかる。
途中、アニメーションと実写映像が融合する場面が、妙な不穏さを煽られ怖くなった。夫婦がシェルターを作るのに参考にした政府発行の冊子は、実際に存在したそう。おそろしい。戦争も核もしないしいらない。絶対に必要ない。こんな作品があったのだな。見れて良かった。
yoyoyo

yoyoyo