【野郎の生きざま】
※クエンティン・タランティーノの監督作を巡る旅②
「レザ・ボア・ドッグス」で成功を収めたタランティーノが、「トゥルー・ロマンス(脚本)」「キリング・ゾーイ(製作総指揮)」などを作り出した後に、完成させたのが、この傑作である。
登場人物たちの途方もない喋りや、名シーンがたくさん詰まった本作は、実は「レザ・ボア・ドッグス」と"世界観が繋がっている"と、いろいろなエピソードも詰まっている。さぁ、本当のタランティーノの伝説が始まる。
さて、この作品はとにかく会話が多い作品だが、皆さんが聴いて、「ビビッ」とくる会話が多い。それくらい、この作品は一言一言が"生きざま"として描かれているのである。
どんなに見た目が雑魚に見えていても、会話の一言一言が"重くのしかかる"ように伝わる男たちの言葉がある映画は、素晴らしい意味がある事を思い知らせてくれる。
私が心に残ったシーンは、やはり終盤のジュールスの冒頭に出てきた、二人組の強盗を止めるシーンである。ヴィンセントの[長いトイレ]も気になるが、"聖書の言葉"を華麗に操って、強盗を制止するシーンは、本当に目が離せなかった。
どんな映画やジャンルに問わず、"言葉は重要"である。それをこの作品は、"荒々しい男女の荒々しい日々"を通して世間に伝えた作品なのである。
「レザ・ボア・ドッグス」で伝えたかった事が、本作でさらに[ハードボイルド]に伝わったのであった…。