身もふたもないことを言うようだが安藤昇が要らない。本当に要らない。なんなんだあの愛人ときらきらした照明の中で談笑するシーン。
本作の菅原文太はヒロイズムとはだいぶ無縁なキャラクターで、中島貞夫の登場人物らしい意地汚さがあってそれ自体は好きだ。イントロのわけのわからない脅迫からして笑える。が、安藤昇との関係が飲みこみづらいし、「あいつのおかげで今があるわけだから何も言えん」と評されるほどの存在とも思えない。何かやったのか。
ただ梅宮辰夫との複雑な関係は魅力的で、ああいうのを見るとノリノリでないたっつぁん(中間管理職の哀しみみたいなものがある)もたまらねえと思いますし、片桐夕子は貧乏くさくて良い。