矢吹健を称える会

蛇の道の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

蛇の道(2024年製作の映画)
3.1
 コメットさんの不在が痛すぎるが、それ以前に、オリジナルに比べて禍々しさが減じており、ただただ漠然とした復讐劇になってしまっていることが辛い。柴咲コウの意図、というか感情も中盤で早くも提示されてしまう。ラストの舞台(遊園地)にはおっと思ったのだが、中に入ってみれば単なる廃工場という、何だかよくわからない感じになっている。

 銃撃戦も、屈強なあいつ(名前がない)を電話中に撃つシーンとか悪くないはずなのだが、音響のぺらっぺらなオリジナルと比較したときに、なぜあちらのほうが好ましく思えるのだろう……。柴咲コウとダミアン・ボナールが拉致した男を引きずって、草むらをかけていくシーンは美しい。