矢吹健を称える会

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

2.2
 前篇に輪をかけてサムい。アニメとしてちっとも魅力的でない。

 この2作の美点というか個性があるとすれば、ミスマッチ感――つまり、奇矯なデザインのキャラクターが繰り広げるのっぺりした日常と、「世界の終り」の予感が、薄皮一枚で隣接しているかのように描かれる点にあったと思うのだが、本作では、途中から主人公一同がどこぞの海沿いの町に移動してしまう。「世界の終り」が訪れようとしている東京とは隔絶した場所にいる主人公たちの、のっぺりしたやりとりが描かれるのだが、それ面白いか? いや、実は「セカイ系」らしく主人公の「選択」によって趨勢が左右されうる(可能性がある)状況なのだが、にもかかわらず傍観者であることを決め込む人と周囲の、の~~~~~~っぺりしたやりとり、面白いか? 私にはわかりません。
 まあ、『魔法少女まどか☆マギカ』や『天気の子』など、「セカイ系」にこそ顕れうる歪な感覚を私は否定しない、というか、好物ですらあるのだけれど、それはちゃんと能動的な「選択」として描かれてほしい。本作ではその「選択」の重さがちっとも描かれていないのだ。主人公が突然色気づくのも気味が悪い。

 あとアニメは顔のアップの静止画が多くて全く面白くない。