ベルリン陥落目前のヒトラーとその周辺を、若き女性秘書の目線で描く。
ままならぬ戦局にブチギレるヒトラーはもはやただのヤク中じいさんなんだけど、その一方で意外と犬好きだったり、女性に対しては紳士的だったり、憔悴しきった姿は情けなくて可哀想に思えたり。
ヒトラーを絶対悪として描くのは簡単ながら、あえて人間的な面を見せるのは、観客への警鐘か。
絶対的な悪として突き放すよりも、われわれの隣人に居てもおかしくないような1人の人間の一面としての凶悪を実感させることで、今を生きる私たちに自覚的であれと促している。
映画の最後に差し込まれたインタビュー映像、ヒトラーを間近で支えながらもその悪行を知らなかったという秘書の女性が語る「(若いということは)知らないということの言い訳にはならない」これほど我が身を突き刺す言葉はない。知ろうとすることや思考することを怠ってはいないかと… 。
ナチスはなにもクーデターで暴力的に権力を握ったのではない。民主主義に望まれて第一党になったのだ。扇動にまんまと乗せられる大衆にはなりたくない。歴史的から学び、自ら考えるのは大事。
そんなことを考えつつも、この映画でテンションあがっちゃうのはやっぱりキャストのそっくりさん感。
ヒトラーを筆頭に、ゲッベルスもヒムラーもゲーリングもカイテルもフェーゲラインwも揃って違和感なしのキャスティング&アクティングで大拍手。。
不謹慎と言われてもシュペーアはイケメン。。。
ドイツ人がナチを演じることの意味については計り知れないけれど、俳優たちにはそれぞれに思うところがあるんだろう、、、とにかく敬服です。
ヒトラー自死のすぐ後にみんなバカスカ煙草吸いまくるのは笑った。
