歩く肉

柔らかい殻の歩く肉のレビュー・感想・評価

柔らかい殻(1990年製作の映画)
4.0
まともに教えてくれる大人がいない中、少年が独自のかたちで死や罪の概念を獲得していくさまや、また、いかにこの奇矯で残忍な世界を受け止めていくか。無知の為に、性への恐怖や嫌悪は、「つぐない」に通じるものがあった。子供は往々にして、無垢ゆえの強い残酷性を帯びている。
見渡す限りどこまでも続く空の青さと小麦畑が油絵のように柔らかくて優しい色合いをしているけれど、そうした牧歌的な風景が余計に、閉塞的な息苦しさや不気味な人々を浮き彫りにしていた。
小麦畑のまばゆい黄金色が忘れがたい…
歩く肉

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