世界のクロサワ!シェイクスピアの『マクベス』を戦国時代になぞらえた傑作。聞きづらいのがもったいない。
50年以上前にこの映像と演出!三船の演技は大袈裟だし、最初はもう少し繊細さのあるマクベスがいいと思ったけれど、彼の顔芸と迫力がないと成り立たない。
ラストの有名な矢のシーン、リアリティがあるのもwikiのエピソードを読むと納得。このシーンが撮りたくて、その前までがあったんではってほどの黒澤監督の独創性と野望を感じる。山田五十鈴の能をベースにした顔や動きも静かな狂気を感じさせ、日本人の美意識が宿っている。どのシーンの映像も満点。
人間の欲望と精神の脆弱さを夢幻的かつド迫力の映像で描写した、日本が世界に誇れる『マクベス』でした。ジャケが怖くて避けてたのを後悔しました。