Eyesworth

ターミナルのEyesworthのレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
4.9
トム・ハンクス演じる主人公のナボルスキーはフォレスト・ガンプを彷彿とさせるちょっと残念な脳みそなんだけれど、やはり人を惹きつける能力に長けていて、空港の人々同様に観ている私たちも「なんかこの男ほっとけない!」となるのが面白い。序盤のカートを戻して25セントを稼いではバーガーキングでありったけのハンバーガーにありつく様に思わず爆笑してしまった。この男はあまり頭が良いようにはには思えないが、手仕事が上手いので、文化人類学者レヴィ=ストロースの言うブリコラージュ(ものを自分の寄せ集めの知識でなんとか修繕する力)を存分に発揮している。そのため、どんな環境にあっても食いっぱぐれない。よくわからない国から来た変な人が空港に何ヶ月も住んでいるのは冷静に考えたらヤバいんだけど、そのヤバさをも超越する魅力がこの人にはあって、どうしてもニューヨークで果たしたい目的があって、そのためになんとでもしてやろうという肝の据わり方を見習いたいと思った。みっともなくても邪険にされても人生そこにしがみついてればなんとかなる、そんな教えがあるのではないだろうか。
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