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ターミナルのbluetokyoのレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
2.9
なかなか凝っていて、なにがなんでも面白くしようという前のめりな感じで、それでなのか、見ていて息がつまる気がする。そもそも土台になっているネタがつまらないんだよな。昔、都市伝説染みた話で、24時間ファミレスにいる、いつまでも帰らない客、という話があって、それと話的には似ているのかも。主人公のナボルスキーは、国籍が消滅したことによって、降り立った空港から出られなくなるのだ。日本でいえば、出入国管理の問題で、あまりエンタメの要素はないと思うのだけど。

国籍消失によって空港から出られなくなったという、レアな異常事態が主なのか、ナボルスキーという男のド天然キャラが主なのか、どうもなんか、後者のような気がしてくる。そう気付いてくると、なんか興醒めな感じなのだ。なぜなら、当初の、空港から出られないという設定が必要なのか、ということになってしまうからだ。

空港内で立ち往生してしまうということがわかると国境警備局は、空港内の飲食店で使用できる食事券をナボルスキーに手渡す。まあ、普通な感じの対応ではあると思える。ところが、ナボルスキーは、この食事券を落としてしまうのだ。で、その食事券は掃除係のおじいさんがゴミとして持っていってしまう。ナボルスキーは、その掃除係のおじいさんに返してくれと頼むが、頑固そうなおじいさんで、そのまま行ってしまう。
普通、どう考えても、国境警備局に行くなりして、事情を説明して、再度、食事券をもらうなり、なんなりしてもらうと思うのだけど。ナボルスキーは、そうしないのである。この時点で、もう、かなり、なんか、ファンタジーなのか、ようは、子どもっぽい、ド天然キャラが、大活躍して、というような、そんなしょうもないストーリーが、透けて見えてしまうのだ。

そのあと、急に、実は、ナボルスキーは、大工仕事のスキルがかなり高い、という設定が出てきて、カネを稼ぎ出すのである。こういう付け足し設定も、なんだかなあ。

そうそう、敵キャラも登場する。国境警備局主任のディクソンだ。近々、局長に昇給するかも、という内諾を得ていて、そのために、空港内で面倒をおこしたくないということらしい。ということで、なんとか、ナボルスキーを空港の外に出してしまおうとするのだ。
もちろん、ナボルスキーがド天然キャラで騒ぎを起こしそうな感じがするとわかってからだが。
こういう設定も、かなり凡庸だと思うけどなあ。
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