成田007

ターミナルの成田007のレビュー・感想・評価

ターミナル(2004年製作の映画)
4.0
主人公ナボルスキー(トム・ハンクス)の住む国で内戦が起こり、アメリカと国交がなくなった。そんな中、空港に到着した彼はビザが無効になりアメリカに入国できない。さらには帰ることもできない。

彼は空港の中で内戦が終わり入国できるのを待ち続ける。言葉が通じない異国でたった一人待ち続ける。

言葉の通じない中で生き延びるためのたくましいアイデアに面白い。そして、入国できる日を信じる気持ちで待ち続ける姿は応援してしまう。ナボルスキーに対して最初は周りの人たちからの風当たりが厳しい。だが、徐々に彼の人柄を理解し始め、一人また一人協力者が増えていく様子は心がほっこりさせられます。

主人公以外も全員がなかなかのくせ者ぞろいで、それぞれが悩みを抱えながら懸命に生きている。一見幸せそうに見えても裏では底知れぬ悩みを抱えている。言葉が通じないからこそ彼に対して人々は素直になってしまう。言葉じゃない彼の魅力に人々は惹かれ、共感してしまう。

トム・ハンクス主演で今月末に公開される「ハドソン川の奇跡」の予習としてみましたが、彼の演技力には魅了されます。言葉は伝わらなくても表情と動作だけで喜怒哀楽以上のものが伝わって来る。今作では旅行客、ハドソン川ではパイロットと立場が逆転した彼の演技が早く見たい。

空港は国籍、人種の様々な人が、観光、ビジネスといろんな目的で訪れずれる場所。利用者からすれば目的のためのただの通過点ではある。しかし、目的地に向かう上で通過点ほど大事なものはない。通過点を積み重ねることで初めてゴールすることができる。そういう意味では人生は通過点の連続であると思った。
成田007

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