このレビューはネタバレを含みます
監禁槽(セル)。
これだけ覚えていれば、もう忘れることはないだろう。
何度か観てるのに、全然結末を思い出せない。でも、冒頭の少年の悪魔的顔、漂白された身体、犯人の性癖、インセプションのような頭の中に入っていくという仕組み、小腸を引き摺り出す拷問は完全に覚えている。
けど、犯人が、監禁槽を作成していた企業が潰れたからその後土地所有の権利を持っていたなんて言うことは全然覚えてなかった。
それに別に夢の中に入っていったとしても、本人の口からはなんの情報も引き出せなかったなんて完全に忘れていた。
これはつまり、無意識の中に眠る潜在的な痕跡を探り当て、そこから事件解決に繋がったということだ。
しかも、夢を逆流入した意味がなかったのではないかと思われるが、最後、子どもの意識を逆流入させるとは一体全体何が本当で何が嘘か分からない。
ただ夢の中の世界だけが現実ではないあらゆる不吉を孕んでいて、逆説的に華やか絢爛に彩っていたのは確かだ。