ゴン吉

草原の野獣のゴン吉のレビュー・感想・評価

草原の野獣(1958年製作の映画)
4.0
子育ての難しさを描いた西部劇。
ヴァン・ヘフリン、タブ・ハンター、ジェームズ・ダーレン、バート・コンビらが共演、キャスリン・グランドがヒロインを演じる。 

ワイオミングの牧場主リー・ハッケット(ヴァン・ヘフリン)は、先住民と勇猛果敢に戦って土地を手に入れた開拓者。
彼には2人の息子がおり、兄のエド(タブ・ハンター)は勝ち気で傲慢な性格である一方で、弟デイビー(ジェームズ・ダーレン)は優しい性格。
リーは2人の息子を自分と同様に逞しい男にしようと育ててきた。
エドはリーが思うような青年に成長したが、デイビーには物足りなさを感じていた。
ある時、リーは牧童として、先住民との混血児のポール(バート・コンビ)を雇う。
デイビーが彼の妹クリー(キャスリン・グランド)に心を寄せるが、リーは父親として彼女が混血であることに不満を持っていた。
ポールは牧童として優秀で、負けず嫌いのエドは競争心を抱いていた。
ある日、ポールが野性の白い雌馬を捕まえようと崖に沿って追いかけていた時に、エドが中に割って入り、ポールの行く手をさえぎったため、ポールは崖から滑落して死んでしまう。
裁判でエドの行為が争われることになるが……  

子育ての難しさと人種差別、銃問題をテーマにした作品。
子供は親が思うようには育たないもの。
たとえ思いどおりに育ったと思っていても、その方向性が間違っていることも。
子育てに正解はなく、その難しさが描かれています。
父親は法が無い時代に先住民と戦いながら自らの力で土地を手に入れて牧場を開拓し、町づくりにも貢献してきた、
しかし時は、銃ではなく、法で治める時代にかわっていた。
新しい時代の考えについていけない父親。
それゆえに、ラストは衝撃のせつない結末が待っています。
育児の難しさを銃問題や人種差別を絡ませて上手く纏めています。

「遺体を家まで運ぶ お前とそのご婦人が来てくれるなら とてもありがたい」 

2023.6 NHK BSP で鑑賞(字幕:田中武人)
2022.7 NHK BSP で鑑賞(字幕:田中武人)
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