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イントゥ・ザ・ワイルドのxoのレビュー・感想・評価

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)
1.4
これが評価されているのに驚いている。。なんでもかんでも感情を言葉で言っているし、プロットにも、伝えたいメッセージにも意外性はなくすごく退屈だった。。

開始早々、物語がどういったところに着地しそうなのかはわりと明白なわけで、そのうえでどう見せてくれるのかなと思ったら、これといった事は起きない。話の推進力が弱い。オチをどうするのかってことにしか興味がいかない。。
「ノマドランド」を想起したりもしたけど、あっちは感傷的なムード作りだったり、ドキュメンタリー風の生々しさの演出だったり、色々とうまいからね。。

初っ端、生きる意味とは…、みたいなことが得意げに語られたと思ったら、最後までその位置から動かない。同じ主張が繰り返される。。

随所で、主人公自身の日記だったり妹の手紙だったり朗読がちょいちょい入り、ご丁寧なことに、どういう感情でいるかもすべて教えてくれる。
感情までそのまま言葉で書かせちゃってるから、主人公は見たまんまな人でしかなく、深みはない。

終盤に出会うジジイとの対話においても、ジジイから一方的に色々と説明してくれる。。
実話としてこういうことがあったのか知らんけど、いずれにせよ作品として提示する以上、その中にある情報だけで納得感を得られるようなものにすべきでしょ。やたら前のめりで好意的なジジイだなぁ、としか思えん。

妹の手紙を通じて明らかにされる家族の様子もどうかと思った。やたらdepressiveなんだけど、年がら年中落ち込んで塞ぎ込んで生きてるわけじゃなかろうに。まず、人間関係って家庭だけじゃないでしょ。。

そもそもにして、漂白された、"夢のような放浪生活"な描き方なのも気になった。過酷さよりも、楽しさや視覚的な美しさをフィーチャー。どっかの旅行会社がPR映像として使っても良さそうな感じの内容。終盤にあれがあったとて、漂白されている感は否めない。
こんだけ長期に渡る放浪生活でありながら、顔がわりとツルッとしているのも、どうかなぁ…と思った。

良かったと感じたのは、主人公が出会う少女とのこと。
あそこだけ、言葉を使うことなく、大人になるとはどういうことかを示していたと思う。
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