ちろる

青春の夢いまいづこのちろるのレビュー・感想・評価

青春の夢いまいづこ(1932年製作の映画)
3.7
1932年代のアオハル。
サイレントなのですが、大学生たちの賑やかな雰囲気が瑞々しく伝わってくるから不思議。
この頃の早稲田大学、大隈講堂をしっかりと臨める。
男の友情は女と違って、割と早い時期から立場で関係性が変わってしまう危険性がある。
同じステージで楽しくわちゃわちゃばかやってたり、近くのカフェーのマドンナにちょっかい出し合ったりしてもうどうでもないことごとっても楽しかったのに、立場が変わるとその関係性は一気に崩れてしまう。
前半はただただ楽しそうなのに、後半はなんか居心地悪い。
誰が悪いとかではないし、だれも悪人はいないのに、、全員がなんとなく不幸な雰囲気が漂う。
この作品の数年前の「大学は出たけれど」や同年の「生まれてはみたけれど」と同様にこの当時の日本人たちの生き辛さが垣間見える作品だった。
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