頭の上の赤い林檎

追跡者の頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

追跡者(1998年製作の映画)
3.8
 この惑星には、翻訳というものがある。言語から言語への橋渡し。日々発達している言語を更に別の言語につなぐのは至難の業である。それを機会の手ではなく人の手でこんにちも行われているのだから。

どうやらこの惑星では英語から日本語に訳すとき、しばしば問題が生じるらしい。

ん…?原題U.S.Marshalsの邦題が「追跡者」…?

この惑星の文法に精通していない私にもわかる。しょぼい。

この惑星は、まだまだ面白い。

そんなわけで世代的にもジョージアのCMでよく見たトミーリージョーンズが主演のクライムサスペンス。

先述したように、仮決定していたタイトルを修正し忘れて翻訳されてしまったかのような雑なタイトル。あまり期待していなかったのだがこれがかなり面白かった。

まずおどろいたのが若き日のロバートダウニーjrが出ていたことである。まだドラック漬け前だろうか。

若いとはいえ、さすがの演技力である。なによりマジで端正な、美しい容姿。スーパーヒーロー映画の主役級に抜擢されるだけはある。

肝心のストーリーなのだが、これが安っぽい演出に頼らない堅実なサスペンスで驚いた。謎を残したまま、その種明かしのタイミングが非常にうまい。

そして、アクション。

CGを使わない時代の、骨太なスタントが輝いている。これぞ映画のスタントって感じのいい意味での王道さがある。

クライムサスペンスってまあスタントの王道だしね。

後半の畳みかけは必見である。

黒幕もまさかまさかで、相変わらず単純な俺は最後まで分からなかった…

面白い。

警察側のチームアップ、昔の警察のザ・連帯感みたいなものを感じられたのも味があってよかった。