一族の血ってこういうこと。家族のつながり、という響きとは似て非なる何か、重くてドロドロと血生臭いもの。賀来敦子と小山明子の美しさもさることながら、一家の長である佐藤慶の貫禄もすげかった。戦後の日本ってこんな空気だったんだろうな。
花嫁のいない結婚式がまじでシュールで共感性羞恥のわたし泣きたいくらい辛かった。逃げても逃げても絡みつく宿命、それをわかっていながら甘美な恋の想いに逆らえない主人公の寂しさよ。最後の小谷のシーンなんか美しすぎてキリスト教の絵画のような神聖さを覚えた。重くて苦しいけどいつかまた観たい。