やや

素晴らしき哉、人生!のややのネタバレレビュー・内容・結末

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

「自分なんて存在しなければいいのに」と人生にこの上なく絶望していた頃に出逢いたかった。

辛いことや人のために我慢してきたことは無駄にはならないのかもしれない。
若い頃は希望や夢や野心をもっていたのに、結局街を出ず平凡な人生に絶望する人はごまんといて、だからこそ共感する人は多そう。
人生に疲れた人の価値観を少しだけ上向きにしてくれそうな作品。
クリスマスにホームアローンも良いけど、こちらも流しませんか?笑

白黒の映画は初めて観たのだけど、もっと見づらいのかと思ったら意外と見易かった。この時代で古さを感じない美しさのメアリー…良い…

まさか、あらすじの「天使が現れジョージがいない世界を見せる」が出てくるのが130分のうちの残り30分だとは。
けれどそれまでが長いことでラストに説得力が生まれるし、凝縮されているおかげでスピード感をもって絶望からの素晴らしき人生に繋がり、観ていて気持ちがいい。戻ってきた後のジョージのハイテンションっぷりと、みんなの歌声にうるっときます。

冒頭でクラレンスの姿が出ていないのがまた良い。ラスト30分で初めて出ただけなのに忘れられないし(あの天使顔も最高に良い)、あの短時間でジョージが「親友」と呼んでも納得できるの、すごいな。

観終えてもしばらく余韻から離れられないくらい、ラスト30分に全てを持っていかれた。本当に素晴らしかった。
次はクリスマスにまた観たい。
やや

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