12月の誕生日に自分へのご褒美で
「伊丹十三 FILM COLLECTION Blu-ray BOX」
のⅠ、Ⅱを購入
月1ペースでゆっくり堪能していきたいと思います
まずは「お葬式」
昨年末に役者としての伊丹十三を「家族ゲーム」で観たのですが
伊丹十三は監督としてのイメージの方が圧倒的に強い
そんな伊丹十三監督の監督デビュー作です
めちゃくちゃ面白い!
デビュー作の時点で完成しまくってます
お葬式という風習を客観的に観た時の不思議さ
日本が良くも悪くも無宗教が故に曖昧で、時に適当な感じが最高に楽しいです
コメディの要素が強いものの
そのコメディとしての要素が日常の会話劇であったり
お葬式というシリアスな中で生まれる真剣が故に滑稽という私が好きなタイプのコメディ
お腹を抱えて大爆笑というよりは
ずっとニヤニヤできる楽しさ
これって他人の滑稽さに笑うということではなく
ああ、わかるわかる
なんかシリアスな時ほど滑稽な展開って起こるんだよなっていう
自身の経験にも当てはまる面白さに笑う感じです
めちゃくちゃ危ないカーチェイスとか笑
腹ごしらえは大事なのでね…いやあ楽しい
映画がエンタメだということをずっと忘れさせないサービスに溢れた楽しさ
1984年の作品なのに
GoPro映像のようなカメラの配置の面白さも多く
宮本信子(妻)が旦那の不倫の裏で丸太のシーソに乗っているシーンがあるのだが
この時のアングルが斬新
フィルムカメラを固定して撮ったのだろうか…凄いな
この丸太のシーソーの移動方向を、横ではなく正面でカメラを固定することで
なんとも不倫の情事そのものと重なり
性行為中の局部の動きそのものにも見えてくる
そんな映像による品がないのに上品な演出が素晴らしいし楽しい
火葬場での小林薫などベテラン俳優の若かりし頃がちょい役で楽しめるのも本作の魅力
お葬式についての勉強にもなる良質なコメディ
Blu-ray映像の劇場予告も斬新な楽しさでニヤニヤ