こしょう

さようならCPのこしょうのレビュー・感想・評価

さようならCP(1972年製作の映画)
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監督曰く、本作はメインの横田弘氏と話し合ってどういうシーンを撮るかを対等に話し合って決めていったとのことで、障害者を障害者として隠すのではなく、当時の価値観をひっくり返そうとした、可哀想という思いや、ヒューマニズムという言葉で片付けられることが嫌いでこの映画を作ったとのこと。
夫婦喧嘩も、監督が煽って敢えてああなるように仕向けたとのこと。

今でこそ、障害者を普通の人と同じように、という言葉は広がってきたが、当時はまだまだそんな空気はなかっただろうし、私を含め今でも障害者を可哀想な人達とみなす安易なヒューマニズムに落とし込む人の方が多いだろう。なので、監督の目線はすごいと思う。けれど、言語障害のある人達の話はほとんど何を言っているか聞き取り不能であり、また、運動障害もあるため表情も不随意的であり非言語コミュニケーションも行いづらい。そんな彼らの思考を正確に理解することは非常に難しい。だからこそ、理解を放棄してヒューマニズムで楽をしようとするのだが、この映画ではそれを許してはくれない。
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